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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第5章 【冒険ごっこ】


 ――で、ここからが本番だ。縄でぐるぐる巻きにされてるマンダンガスに対し、ハリーは単刀直入に「S字のマークが入ったロケットがあっただろう?」と問い詰めた。

「さあ?あったような気がしなくもねぇな」

 マンダンガスはそう言いながら、へッ、と鼻で笑った。
 縄でぐるぐる巻きにされているのにも拘わらずこの態度、おそらくこちらが子供だからと甘く見ているんだろう。
 それならばと、クリスはマンダンガスの腹を蹴り、倒れた頭を靴底で踏みつけると同時に杖を突き付けた。

「どうやら痛い目に会わないと分からないみたいだな」
「分かった、話す!話すから!!だから杖を下げてくれ!!」
「それには、まずそっちの杖を渡してからだ」
「僕はそのままの方が良いと思うけどね」

 ロン同様に、クリスもこのままの方が便利だと思ったが、別にこっちも拷問がしたいわけではない。
 ハリーがマンダンガスの杖を取り上げると、きつく締め付けていた結び目をハーマイオニーが魔法を使って一瞬で解いてやった。

「それで?そのロケットはどうしたんだ?」
「くれちまったよ、タダで。俺が路上で店を開いてたら、許可証を取っているのかって言ってきて……」
「持ってたの、許可証なんて?」
「もちろん持ってねぇよ。そしたらそのババアが『そのロケットをくれたら見逃してやる』とか抜かしてきたから、仕方なくくれてやったんだ」
「ババア、と言うことは女か」
「どんな外見だったの?何かわかりやすい特徴とか、喋り方とか」
「特徴?えー……ピンク色のツーピースに、年甲斐もなくリボンをつけてたっけ。喋り方もベタベタした感じのガマガエルみてぇな女だったよ」

 特徴を聞いた4人の脳裏は、まさにシンクロしたかのように、ある人物を思い浮かべていた。
 そう、5年生の時に『闇の魔術に対する防衛術』の教師をしていた悪夢のような女――ドローレス・アンブリッジその人だった。
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