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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第5章 【冒険ごっこ】


 クリスが屋敷しもべ妖精への接し方について思案に暮れる中、これと言った進展は全くと言って良いほど何も無かった。
 日刊預言者新聞ではハリーに莫大な賞金が賭けられ、法律もどんどん純血主義よりになり、おまけにリータ・スキーターがダンブルドアの伝記を書いたらしい、その一部分が抜粋されていた。

 【アルバス・ダンブルドア伝記~その闇と孤独~】

 父親のパーシヴァルが3人のマグルの少年を殺し、アズカバンに収容された。
 母親のケンドラは周囲の目から逃れるためにゴドリックの谷に引っ越した。だがこの新しい村での生活で、ケンドラが打ち解けようとしていた様子はないと有名な歴史家、バチルダ・バグショットは語った。
 そしてさらに、ダンブルドア家には息子2人ではなく、隠されたもう1人の妹がいたとバグショットは語る。
 それはある夜、鐘鳴り草を積もうと庭に出ていたら、ケンドラが娘の手を引きながら庭を散歩させていたというのだ。

 では何故、ダンブルドア家では娘であるアリアナの存在を隠していたのか。それはスクイブだったからだと筆者、リータ・スキーターは予想した。
 普通の魔法使いであれば7歳前後から魔法使いとしての兆候が見られるが、アリアナにはそれが無かった所為ではないかと――……。


 そこまで読んで、クリスは日刊預言者新聞をぐしゃっと乱暴に丸めた。
 昨年度、ダンブルドアが涙ながらに語ってくれた秘密を、リータ・スキーターのクズが暴露しやがった。それだけでその日1日クリスは怒りが収まらなかった。

* * *

 そして翌日、なんと見事にクリーチャーとドビーがマンダンガス・フレッチャーを縄でぐるぐる巻きにして連れて来てくれた。
 クリーチャーは約束通り偽のスリザリンのロケットを渡すと、ルンルンと踊りながら巣穴であるボイラー室へと戻っていった。

 ドビーは「ハリー・ポッターの役に立てたなら、ドビーはそれだけで幸せでございます」と言った。
 しかしそれでは不公平な気がして、結局ハリーが長年履いていた洗濯済みの靴下をプレゼントしたら、ドビーはハリーの足にギュッとハグをしてから、ホグワーツに戻っていった。
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