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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第4章 【果てしなく続く青空】


「……ごめんシリウス、言えないんだ」
「どうしてだい?私を信用してないのか?」
「そうじゃなくて……」

 ハリーがみんなに目くばせして、言おうか言うまいか、言葉ではなく視線で審議した。
 2年前のシリウスならきっと背中を押してくれただろうが、今回はRAB、つまりシリウスの実弟が絡んでいるのだ。それを聞いて、シリウスがどう出るのかが分からない。

 4人は迷ったが、もしRABについてもっと情報が得られるのなら、と言うことで話は落ち着いた。
 もしもダンブルドアが、分霊箱について詳しい特徴や隠されている場所などを教えてくれていれば、こんな事しなくても良かったのだが……。
 くれぐれも『子供たちの冒険ごっこ』にならぬよう、ハリーは慎重にシリウスに旅の目的を話した。

「実は僕たち、分霊箱って言うのを探してるんだ」
「分霊箱?」

 流石のシリウスも聞いたことのない呪術らしい。簡単なあらましを説明すると、シリウスは顎に手を当てて考え始めた。

「魂を7つに分けた、か……。それじゃあただ本体を叩いても意味がないのか」
「意味がないかは分からない、けど、分霊箱の1つである日記帳を壊してもアイツは何もしてこなかったよ」
「そうか、しかし分霊箱か……そんなに大切な物をレギュラスが?いや、あるいは……」

 レギュラスのロケット、レギュラスのロケット……そうブツブツ言いながらシリウスはその場に立ち尽くした。暫くすると、ハッと目覚めたように顔を上げた。

「そうだ、こういう時はアイツに聞くのが一番だ!クリーチャー!出てこいクリーチャー!!」

 パッという音と共にクリーチャーが現れた。朝から物凄い不機嫌と言うか不名誉極まりないという顔をしている。それでも主人であるシリウスに、ブツブツ不平不満を言いながら頭を下げた。

「なんでしょうご主人様、クリーチャーは食事の準備を――」
「嘘を吐くな、階下から会話を盗み聞きしていただろう」
「……チッ、これだからマグル狂いの唐変木、薪の代わりにもならない役立たず……」
「俺への悪口はどうでも良い。お前、レギュラスが持っていたロケットを知っているだろう?どこにある?」
「さて、クリーチャーは歳をとってしまい昔のことは……」
「ご主人様へ噓の報告とは、痛い目に合わせないと分からないらしいな」
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