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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第4章 【果てしなく続く青空】


 上の階では、ロン、ハーマイオニー、シリウスの3人が集まっていた。
 いったい何が始まるのかと思って身構えると、シリウスが「これだ」と言いながら部屋の扉を軽くノックした。当然だが、返答はない。

 何がしたいのかと訝しんでいると、シリウスは扉をノックしたのではなく、扉に掛かったプレートをノックしていたのに気づいた。
 ホグワーツ寮のように真鍮で出来た扉のプレートにはこう書かれていた。

『許可なき入室を禁ず  レギュラス・アークタルス・ブラック』

「これがどうしたんだ?」
「RAB、だよクリス。ロケットに書かれていたRABだ!!」

 確かに頭文字をとったら「RAB」になるが、まさかこんな偶然というか、あっけない所で見つかるものなのだろうか?
 他の3人に目をやると、それぞれ違う反応を返した。

「レギュラスのセカンドネームであるアークタルスは祖父の名でね。かなりの純血主義者だった。アイツはそれが大層気に入っていて、名前を書く時はいつもこの名を使っていた」
「でも、まさかそんな……」

 もう一度みんなの顔を伺うと、ハーマイオニーは半信半疑……いや、3割ほどしか信じていない表情だった。無理もない、ハーマイオニーは大抵の場合、確証のない事はむやみやたらに信じたりしない性質だ。
 ロンは期待半分で、ハリーからは9割以上の期待が感じられた。
 クリスはロンと同じで、期待半分夢半分ってところだ。過剰に期待してぬか喜びでした、なんてお粗末な結果だけはご免被りたい。

「それで、そのRABの部屋からは何か見つかったのか?」
「それも踏まえて、これから朝食にしよう。だがその前に、君たちが何をしようとしているのかを簡単に教えてもらおうか」

 シリウスはしっかりクリス達4人の目を見てハッキリ言い切った。その目はいたって真面目だ。
 やはり初代からの騎士団の人間であり、正義感や使命感が人一倍強いシリウスだ。彼を相手に冗談や口からの出まかしでは通用しないだろう。
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