第19章 【1日目】
皆が思案に暮れる中、ドラコがはっと思い出したように言った。
「僕が去年直した、例のキャビネットがあるぞ。あれなら直接必要の部屋に行くことが出来る」
「そうね!あそこなら忍びの地図にも載らないし、好都合だわ!」
「あとは在校生の非難経路か。人数も多いだろうし、これが一番苦労するかもしれない」
「そこは先生達に任せて良いと思う。生徒達のことを一番知っているのは先生達だろうし」
そこまで話し合うと、なんだか一筋の希望が見えてきたような感じがした。話しがひと段落着いたので、クリスとドラコはいつも通りログハウスに戻った。
本当は久々に皆とテントで和気あいあいとお喋りしたかったのだが、それでは一人残されたドラコが不憫だと思ったのだ。
だが今日はシリウスがベッドを使っているから、残りは1つしかない。
「さて、どうする?じゃんけんで決めるか?」
「そうだな……折角だから1つのベッドを2人で使ってみるのも良いんじゃないかい?」
「なっ!!?」
ドラコは一歩前に進み出ると、クリスの腕をつかんだ。ドラコの顔が至近距離に迫り、耳元で囁かれるたび甘い吐息が耳元をかすめる。
脳を刺激するその甘い吐息に支配されぬよう、クリスは理性を総動員させた。
「たまには恋人らしいことをしても、罰は当たらないと思わないかい?」
「な、なに冗談を言ってるんだ!?シリウスだっているんだぞ!?」
「大丈夫さ、よく眠っている」
そう言うと、ドラコは掴んでいたクリスの腕を引き寄せ、やや強引にキスをした。反射的に突飛ばそうとしたクリスだったが、それよりも早く腰に腕を回され、それさえも封じられてしまった。
服越しに触れられた箇所が、甘くしびれる様にうずく。
「んっ……んんむ、はあっ……」
「はぁ……はぁ……クリス」
「ド……ドラコ、流石にこれ以上は……」