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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第18章 【闇が晴れる時】


「ロン、僕らに言うことはあるかい?」
「僕、その……本当に、僕がバカだったよ……まんまとロケットに操られて……皆に迷惑をかけて……」
「そうだね、それで?」
「家族にも、随分迷惑をかけたと思う。もちろん、1番は君たちだけど……」
「うん、それで?」
「それで、えーっと……とにかく僕が馬鹿だったから、っていうのは分かってて、それで君たちさえよければ……」
「良ければ?」
「ぼ、僕を……僕をまた、皆との旅に加えてくれないかな……?」
「君は本っ当に馬鹿だね、1番大切なセリフが1番最後に出てくるなんてさ!」

 君が戻って来る、それ以外何もいらないよ――。
 ハリーがそう言いつつロンを抱きしめ、その上から更にハーマイオニーが抱き着いた。
 クリスはチラッとドラコの方を見ると、ドラコは呆れた顔で大きくため息を吐いた。クリスはそれを都合よく解釈すると、両腕を大きく広げて上から覆いかぶさるように3人まとめてハグをした。

「やっと4人……いえ、5人揃ったわね」
「大変なのはこれからだ。色々情報を整理しないといけないし……それに、シリウスのこともな」

 クリスがシリウスの名前を出すと、ロンはハッと息を飲み顔色を真っ青に変えた。
 恐らく、いや、確実にシリウスに大怪我をさせたのはロンだろう。いったいどういう経緯であそこまでの大怪我になったのかは分からないが、これは不死鳥の騎士団に報告しなければならない事案だ。
 ロンもそれを分かっているのだろう、いったん拠点であるルーピン先生の家に戻ることに、抵抗を示すことはなかった。

 皆で『姿くらまし』をしてルーピン先生のお家に着いたは良いが、とてもじゃないが全員は入れないので、代表してハリーとロンとクリスの3人がシリウスが寝ている部屋に入った。

「良かった、静かに眠ってる」
「僕、なんてことをしたんだろう。自分でも良く分からないんだ。ただ、全てが憎くて、憎くて、誰でも良いから、こ……殺してやりたくなって……」
「それもきっと、ロケットの魔力だったんだよ」

 パチパチと暖炉の薪がはぜる音を聞きながら、3人は小さな声で語り合った。
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