第13章 【恥と猛省】
「もしかしてクリス、ドラコに旅の目的を話してなかったのか?」
クリスが顔を真っ赤にして下を向いたまま小さくうなずくと、シリウスが大笑いした。
……分かっている、こんなんだから世界を動かす内の1人としての自覚がないと言われるのだ。でも、そんなクリスであっても、ドラコは何もいわずに傍にいてくれた。その厚い信頼と愛情に、今こそ答えるべきだとクリスは思った。
「わかった、キチンと話しておこう。どうして私たちが旅をしていたのかを……」
そもそもドラコは『死喰い人』として、ヴォルデモートの情報をどこまで知っているのだろうか。
クリスは手始めに分霊箱とはどういうものなのかを簡単に説明した。その上で2年生の時に起きたバジリスクの一件を語った。
すると、どうやらドラコは、自分の父がウィーズリー家をやり込めようと日記を忍び込ませた事までは知っていたが、それが分霊箱だという事までは知らなかったようだ。
「つまりその日記――じゃなく分霊箱が、この世界にあと6つ存在しているのかい?」
「いや、元の魂と合わせて7つだから、計算としてはあと5つになる」
次にクリスは、シリウスの弟であるレギュラスのロケットについて話しをした。一時はアンブリッジの物になっていたが、後日無事にロケットを回収した……と。
だがその先の、ロンがロケットを持って行方不明になったことは、どう説明しようか迷いに迷った。
「クリス、どうかしたのかい?眉間にしわが寄っているが」
「いや、その、頭の痛い話しなんだが……ええい、この際だ!全部話そう!!」
自分を深く信頼してくれているこの2人に、隠し事なんてしたくない。それにドラコとシリウスなら、きっとこちら側の事情も理解してくれるだろう。
そう信じて、クリスはなるべく簡潔に語りだした――。
4人で旅を続けている内に、各々フラストレーションをためていた事。そしてロケットの持っていた魔力のこと。そしてさらにその影響を受けたロンが、嫉妬により起こした過ちの全てを話した。