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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第13章 【恥と猛省】


 そうこうしている内にクリスも疲労がたまり、集中力も失せ、その所為で事故が起きてしまった。クリスが武装解除の魔法をかけたら、杖を吹き飛ばすだけでなくドラコの手も一緒に派手に弾いてしまった。

「ドラコ、大丈夫か!?」
「これくらいなんともないさ」
「バカ言うな、血が出てるじゃないか。今日の特訓はもうお終いにしよう」

 クリスがそう言って杖をしまうと、ドラコは苦々しげな顔をした。理由はなんとなく分かっているが、彼のプライドを傷つけないためにクリスはあえてそれを口にしなかった。

 家の外にある井戸で傷口を洗ってから小屋に入ると、シリウスが新聞を読んでいた。どうやらリータ・スキーターが、またあることないこと好き勝手に書いているらしい。
 シリウスは眉間にしわを寄せ、それらの記事を読み終えるとバサバサと荒っぽく新聞をたたみ、吸っていたたばこを灰皿にねじ込んだ。

「何が書いてあったんだ?」

 薬箱を手にしたクリスが、朝食時とは打って変わって不機嫌さを露わにしているシリウスにたずねた。

「相変らず、ダンブルドアをコケにした記事だよ。ジェームズ達が暮らしていた家の近くにバチルダ・バグショットっていう婆さんが住んでいたんだが、そいつ曰く、甥っ子のゲラート・グリンデルバルドとダンブルドアが2人そろって闇の魔法に魅せられていたと書いてあった」
「ダンブルドアが闇の魔法に?ありえないな」
「と言うより、そのグリンデルバルドを討ったのがダンブルドア本人じゃないか」
 
 クリスの手当てを受けながら、ドラコが至極当然とばかりに言った。
 言われてみれば、確かに『魔法史』の授業でそんな事を習った気がする。あとカエルチョコレートのカードにもそんなことが書かれていた。
 まあリータ・スキーターが書いた記事なんて眉唾ものもいいところなので、気にする必要もないだろう。

「ところでシリウス、今日は騎士団の仕事はいいのか?」
「いや、これからアジトに顔を出したあと仕事に向かうさ」
「シリウスの仕事って、どういう事をしてるんだ?」
「分かりやすく言うと、実動隊だな。リーマス達が集めてくれた情報を基に、『死喰い人』と直接戦うんだ」
「直接戦うって……下手したら死ぬ可能性もあるんじゃないのか?」
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