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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第12章 【共同生活のすゝめ】


「そうだ、シリウス。良かったら君がお目付け役になれば良い。もちろん騎士団の任務に響かない程度に」
「そうだな、その方が私も安心できる」

 そうじゃないと、私の方が不安で不安で仕方ない。と、シリウスが付け足した。

* * *

 それからルーピン先生は、任務の為にロッジを後にした。それは良いのだが……困ったことに、ルーピン先生という晴れやかな清涼剤が居なくなったことで、またしても3人の間にピリピリとした緊張感が漂ってきた。
 とにかくドラコとシリウスが衝突しなければ良いのだが……2人の目を見ていると、それは難しい気がしてきた。

「それじゃあお目付け役として、まず君らにルールを課そうか」

 早速シリウスが、幾つか決まり事を定めた。
 まず1つは、いつどんな所で敵と遭遇するか分からないので、結界の外では絶対に1人で行動しない事。
 2つめは、有事の際にきちんと魔法が使えるよう、訓練を怠らないこと。特にクリスは杖を新しく手に入れたばかりなので、しっかりと鍛錬を欠かさないこと。
 3つめは、無理は禁物。例えば怪我はもちろん、雨で体が濡れて体力が奪われそうな時は、探索は中止する。――など、おおまかな3点だった。

 こうして実際に拠点やルールを決めた探索となると、これまでハリー達としてきた旅は明らかにその場しのぎの行動ばかりだったと反省せざるを得なかった。
 もし、しっかりとしたルールを定めていれば、今の様な離散状態は避けられたかもしれない。
 だが今更それを言ったところで、どうしようもない事である。
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