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異世界とアイドル【sn】

第4章 Snow F



「お前ら喧嘩すんなよ。
ようは彼女に好感持ちやすいってことなんだろ?
別にいいじゃん。そのくらい」

精神操作されてると考えると恐ろしいが、俺達は自我を失ってるわけでもない。
彼女はいたって普通だ。見た目もスタイルも年齢も。それでいて俺達のファンであり、今までの態度からして一定の距離を保とうとしている努力の姿勢はわりと好感が持てる。

「いい子だよ、葵ちゃん」
「それはわかるけどさ。それだからナニ?なんで照は濃厚接触になったわけ?」
「……たぶんなんだけど…。
俺、彼女と初日以降に会話してないんだよ。食事の席は何度かは一緒になったけど、練習してて遅れたりしたし、タイミングがなかったというか…」
「え、葵ちゃんて、もしかしてオレらのときメモ要因???」
「ナニソレ。サクマくん」
「ときメモの女子ってさ。一定期間会わないと爆弾出来んの。んで放置すると爆発しちゃって女の子の好感度が激減すんの」
「例えがムズいんだけど。えーと、爆弾があるかわからないけど彼女に接触しないと俺らの体調が悪くなるってこと?」

「「…………」」

ナンダその仕様。



「爆弾も例え、だね。それに彼女はゲームのキャラクターでもなく、一緒に転異してしまった女の子だからね。あくまで被害者だよ」
「別に葵ちゃんが悪いなんて思ってるわけじゃないけどさ。簡単に言っちゃえば俺達は彼女がいないとこの世界生きていけないってことだよね?ヤバくね???」
「そう。ヤバいよ。
魔王倒すとかの以前に彼女がいなくなったら俺達は帰る道もここで生きることもできなくなる可能性がある」

再び沈黙が訪れる。
好感度どうこうの話じゃない。自分たちの命綱は彼女にかかっているという可能性に全員が息を飲み込んだ。
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