第3章 聖女の力
異世界へ来て早7日。
変わらず異世界だ。そして毎日Snow Manを拝める幸せ。
3日目には王様に謁見した。
気だるげな渋いオジサンだった。視線がちょっと気持ち悪かったので私はさりげなく勇者の皆さんの後ろに隠れた。
簡単に挨拶も終わると、さっさといなくなった。
あとから聞いたけれど、何かの病らしい。
詳しくは教えてもらわなかった。
食事は朝、昼、晩。
時間はおおよそではなく、阿部ちゃんが時計を手に入れた。
街に降りてみたって聞いた。
私も是非行ってみたい。そもそもお金はどうしたんだろ?
日中はそれぞれ一緒の行動はしないため、報告することがあれば食堂で話し合う。
いまだ勇者、聖女ともに行動制限はなく、私達はまず自身の能力を把握することに専念した。
普段から仕事ばかりだったメンバーは時間を持て余しているのか、訓練に参加することが多いようだ。私は武器を一通り触れてはみたけど何も感じることはなかった。
現状メンバーの中で能力が発覚したのは、照くん、めめ、ラウールくん、舘様、佐久間くんだ。
照くんは長剣、めめは片手の細い剣レイピア。ラウールくんは槍ハルバード。舘様は鈍器メイス。4人は前衛だ。
それぞれ武器を持つと尋常ではない力が出るようだけれど、あちこち破壊してしまうため調節しているらしい。
そして佐久間くんは魔法使いだった。
部屋で色々試していたら、手から炎が出たんだって。
ちなみに杖はなしで素手。「荼毘じゃん!マジサイコー!ヒュー!」って、めちゃくちゃテンション上がってて可愛かった。
私は能力もいまだわからず状態。
午前中は図書室で本読み。午後は本を読むと眠くなるので散歩と称し、お城をウロついている。メンバーを見つけて見学しているだけでも時間はあっという間に過ぎてしまう。
王様の謁見あとから、この国の貴族みたいな人から夜会の招待状やお茶会のお手紙を頂くようになった。まったく興味がないので、お断りしている。
初日に部屋の案内をした人がお世話係らしく、朝かならず起こしにくる。ただそれ以上は用がないし、呼び鈴は置いてあるが使った試しはない。