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異世界とアイドル【sn】

第2章 隠された力



「能力がいまいちわからない。
もうちょっと何かヒント的なのない?」
「感覚なのか、なんなのか。
あのセガールって人が言ってたけど、武器の種類に向き不向きがあるのかな」
「武器かぁ…杖とかだったら魔法覚えるの?」
「あのオジーチャン達の杖でかくねぇ?」

おジイさん達が持っている杖は床までつくタイプだ。
あれが向いているとか言われたら、みんな似合わないかも…。

「俺は図書室に戻るよ。まだ調べたいこといっぱいあるし。
葵ちゃんもくる?」
「あ、はい!」

昼食が終わると阿部ちゃんが誘ってくれた。
他の皆は外の訓練場へ行くようだ。
今度は色々な種類の武器も試すらしく、先ほど訓練場に行かなかったメンバーも行くみたい。



お城の階段を上がり2階を進んだ。

「最初からこの世界の人とは言葉が通じたけど、文字は見たことないものだったよ」
「読めるんですか?」
「うん。見たことない文字なのに文章は読めるの。それ、ちょっと気持ちが悪いよね」

1階とは少し雰囲気の違った廊下を話しながら進んだ。
かなり進んだところで大きな扉があり、阿部ちゃんが開けてくれる。
中は図書室というよりも図書館並みに広い。
訓練場もそうだったけど、お城の中が広すぎる。人数に合ってるのだろうか?掃除とか絶対無理だし、この世界、必要な本どうやって探すのよ。

「そっちに司書っぽい人いるから、欲しい本言えば用意してくれるよ。
それで俺は、あれ……」
「……」

阿部ちゃんが指す方向には長い机の上に大量の本。100冊どころではなく4~500冊はあるんじゃないだろうか。

「ええと……
なんて頼んだんですか?」
「勇者関連って言ったの」
「う、う~ん。じゃあ聖女関連って頼んだらあれくらい出されるってことですね?」
「ははは…。
実はもっと多かったんだけど色々省いてもらってあれなんだ。絵本とか物語もあったし」

え、ええ~…
調べるだけでも1か月くらいかかるのでは?

「えーと、じゃあ……
聖女の能力について載っているものがないか聞いてみたらどうかな?
俺ももうちょっと減らさないと、ここにずっと引きこもりになりそう」
「…そうします」

途方もない本の山に顔を見合わせ苦笑しあった。
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