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青い監獄のサッカー嫌い【ブルーロック】

第2章 第一選考


チームZとXの個人面談がだいたい終わった中で一人だけ、個人面談する為のデータ・モニタールームに来ない子がいた。
もしかして忘れているかもしれないと、色んな子に聞いて探していたが見つからない。

何処にいるの…。
半泣きになりながら食堂を通り過ぎそうになった足に急ブレーキをかけた。


『いたー!!』

「んおっ!?え、あ真琴!?」

『潔!個人面談あるって言ったのに、なんでモニタールーム来なかったの!?』

「あ…忘れてた」


個人面談に来なかった子というのは潔であった。
彼は食堂でランキング別で割り振られたご飯を食べていて、私の言葉に『あ…』という顔をした。

「悪ぃ!走りこんでたら忘れてた…」

『こんな時間まで…?』

「俺みたいな奴は、練習を人一倍しねぇと…」

『……横、座ってもいい?』

「ん、どーぞ」


潔の横に座ると、テーブルにノートと筆記用具を置いていく。
ここで個人面談しよう。

椅子に座りがら隣を見れば潔はかなり疲れた表情をしながら味噌汁をすすっている。
第一選考では潔はシュートは決めず、國神にパスをしていたのを絵心さんに見せてもらった動画で見たが、あの時潔はパスした時に驚いた表情を浮かべていた。


『ねぇ潔。第一選考でさ、國神にパスしてたよね』

「え、あぁ…うん」

『あの時さ、潔自分でパスしてたのに驚いた表情してたよね。自分の意思でパスした訳じゃないの?あと、あの距離なら多分雷市に渡した方が良かったような気がして』

「……俺もよく分かんねぇんだ。無意識に何故か國神にパスしてた。でもなんか、なんか…國神に渡した方が良いような気がして。…何で俺、あの時國神に渡したのかな」


悩む表情をした潔は眉間にぐっ…と皺を寄せながらお米を口に運ぶ。
潔は何故あの時無意識に國神にパスをしたのだろうか、あの動画を見返せば分かるのかなと思いながらシャーペンをクルクルと回す。


『あ、潔。ここに来て何か不安とかストレスだなぁとか思う所はある?』

「ストレスは、そんな感じないけど…。不安ならやっぱ脱落しないかって所かな」

『そっか』


そこは大体、皆同じ回答だな。
やっぱり脱落はしたくないというのは皆一緒で不安らしい。
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