• テキストサイズ

青い監獄のサッカー嫌い【ブルーロック】

第1章 青い監獄


廊下を歩いていれば食堂へと向かう子達とすれ違う。
基本挨拶してくれる子が多めであり、すれ違う度に挨拶をする。
たまに無視してくるのもいるが真琴は特に気にしない。
何せ今から会う子が怖いからだ。


『……やっぱりいるよね』


あるチームが使用するトレーニングルームを覗けばやはり居る。
オーバーワーク気味にトレーニングをしているとある高校生。


『あ、あの〜、昼食時間なんだけど…』


トレーニングルームに入りながらそう声をかけるが、ランニングマシーンで走り込みしている少年は振り向きもしなければ反応も示さない。

今日も完全無視か…。
そう思いながら真琴はまた泣きたくなったが、ここで諦めるのは良くない。


『凛!オーバーワークになるので、ご飯食べに行って!』

「……チッ」

『はい、食堂行ってください』

「うるせぇ、うぜぇ。話しかけんな、泣き虫マネージャー」


糸師凛。
このブルーロック内で真琴が3番目に怖がっている人間である高校生だ。
そしてよく他のメンバーよりも長めにトレーニングをしている為、真琴がオーバーワークにならないようこえをかけているのだが……。


『ウザイかもしれないけど、オーバーワークになるから……』

「チッ」

『舌打ちばかり…うぅぅ』

「泣くなって言ってんだろ。うぜぇ」

『泣かせてるのは凛なんだけど…』

「あ?」

『なんでも無いですッ!!』


睨まれた真琴は肩を跳ねさせながら、汗をタオルで乱雑に拭う凛を見た。
最初は彼の事を苗字で呼んでいたが、彼から『苗字で呼ぶな』と睨まれた事がある。

理由は不明。
取り敢えず名前で呼びながら声をかけたりするが、舌打ちで返事をされる事が多々。


『取り敢えず、ご飯食べに行って……』

「チッ」

『……怖い。胃が痛い』


舌打ちをしながら横を通り過ぎた凛に真琴はホロリと涙を流した。
怖すぎて胃が痛くなるほどであり、凛と凪と会う度に退職したくなる。


『…絵心さんの所に行かなきゃ』


また何かを言われるだろうか、嫌味を言われるだろうか。
そしてまた退職願いを却下されるのだろうな…と何回目かの溜息を零した。
/ 39ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp