第8章 鶴さんの甘えん坊
私は鶴さんを抱き締めて頭を撫でながら話した。
『よしよし、大丈夫。大丈夫だからね。
鶴さんは今日すごく頑張ってくれた!これは進歩だよ!前進だよ!
頑張ってくれた鶴さんにはご褒美あげないとね?』
鶴丸「…、ごほうび?」
『うん、ご褒美!鶴さんは欲しいものある?してほしい事とかでもいいよ〜!』
鶴丸「………主、と、」
『私と?』
鶴丸「もっと一緒にいたい…、主を独り占めしたい…、まだ他の奴にはこうやって抱き締めたりして欲しくない…」
鶴丸「あと、それから…」
鶴さんはギューッと私の服ごと掴んで
必死に小さい子が母親に伝えてるように甘えるように話してくれた。
まるで、弟に母親が取られるのではないかと心配しているような、今までお兄ちゃんだからと我慢してた気持ちを吐き出すような…
『鶴さん、1つだけ鶴さんのご褒美を叶えてあげられないものがあるの』
鶴丸「……どれだっ?」
『1日ずーっと、鶴さんに独り占めされるのだけは出来ないかな?』
鶴丸「…だめなのか?」
『ほんとはね、鶴さんが来てすぐだし他の子はもう少し日にちを開けて迎える予定だったから
鶴さんのそのご褒美も聞けてあげられたの。
でも普通の本丸じゃない、里親本丸のここは緊急の場合が多い。
今回は今まで普通に過ごしてきた子達だし、政府さんだけに任せてても大丈夫な時も多いから
出来る限り鶴さんの側にいてあげることは出来るけど、少しもあの二振りの様子も見ずに鶴さんだけの側には居れないかな。』
『物吉くんと日向くん、政府さんにはちゃんと鶴さんの事は伝えるから出来るだけずっと一緒にいてあげれるようにはしてあげる!
でも私も主だからね?本丸にいる子の顔は毎日ちゃんと見て、ご飯は食べれてるか、体調は悪くないかとか気にもなるの。
分かってもらえるかな…?』
鶴丸「………わかった、それは我慢する。
でも他のは嫌だ!主の1番は俺がいい…っ!」
『っふふ!わかった笑
じゃぁ今は鶴さんを1番にしようね?』
鶴丸「絶対だぞ!約束したからなっ!」
『はいはい笑
言質取られちゃったから大丈夫だよ笑』
この本丸に来た、私が現世から大好きだった一振り
鶴丸国永は随分な甘えん坊だったようだ笑
こんなにかまってちゃんだったとは驚きだ笑