第7章 物吉貞宗と日向政宗
『政府さん、ありがとう!
あ、それと頼んでたお皿と巾着は?』
政「あるよ!はい、これ。」
私は鶴さんの時と同じく古い物をこんちゃん経由で政府さんに頼んで持って来て貰っていた。
『ありがとう〜!!』
物吉「主様、それは何ですか?」
『物吉くんにはこの小さめのお皿、日向くんには巾着の贈り物!』
日向「主から贈り物を貰えるなんて嬉しいよ!」
『鶴さんにもあげててね、鶴さんは湯呑みの金継ぎをしたものをあげたの』
物吉「そうなんですね!」
私は鶴さんに話したのと同じように、古い物を手元に残す事の話をした。
物吉くんにあげたお皿は私が使っていたもので、両手に収まるくらいの大きさのもの。
鶴さんにあげた湯呑みは有田焼きの湯呑みだったけど
物吉くんにあげたのは賤機焼き(しずはたやき)という、徳川家にご縁のある焼き方のお皿だ。
たまたま私が前の家にいた頃に使っていたお皿で賤機焼きのものがあったから持って来てもらったのだ。
そして日向くんにあげた巾着は、こちらも徳川に縁のある小倉織で作られたもの。
小倉織の生地はとても丈夫で食べ物の持ち運びにも適している織り方だ。
だから徳川に縁のある物吉くんには徳川家康が健康志向だったことや、元の主の記憶を思い出として大切に取っていてほしいと願って
小鉢に近い、少し小さめなお皿を。
日向くんは紀州徳川家にいたから、家康公も愛用していたという小倉織の生地で
巾着を作り、梅干好きな日向くんの為に干し梅を持ち歩けるようにこれを選んだ。
まぁ日向くんは直接は家康公とは関わりがないかもしれないけれど、
徳川家と言えばの繋がりで私が勝手に選んしまった。
因みにこの小倉織の生地も我が家にあったものだ。
この説明を物吉くんと日向くんにすると二振りはとても喜んでくれた。
物吉「主様!!あの方の、家康公の思い出を感じられて、そして主様の素敵な思いが込められた贈り物をいただけて嬉しいです!!」
日向「僕もだよ!梅干しを持ち運べるのも嬉しいけど、主がこんなに徳川家の事を知っていてくれてるのも嬉しいよ!!」
『ここに来る子達のことはちゃんと調べようって決めてるんだ。
物吉くんと日向くんが喜んでくれて、私も嬉しいよ!』