第6章 初期刀と新たなる刀剣男士
『鶴さん!』
「………」
『二振りを連れて帰って、契約を済ませてお部屋に案内し終わったら私の部屋で少し話そうか!』
『ほら!昨日本丸に来たばかりの時に、私に聞きたいことがあるって言ってたでしょ?
その話でも聞かせてよ!ね?』
「……主、」
『大丈夫!鶴さんから離れたりしないよ?だから少しだけ頑張ろ!』
「…………、わかった…っ!」
「迎えに来たんだもんなっ!」
『そうだよ♪』
鶴さんはあの本丸で最後まで残っていた刀だ。
朽ちていく身体とついて行けない心と、仲間の居なくなった真っ赤に染まった本丸の中で、ずっと1人だった。
そりゃ、1人が怖くもなるよね…。
帰ったらたくさん甘やかしてあげよう!
でも今はせっかく気合いを入れ直して頑張ってくれると言ってくれた鶴さんの為にも早く二振りを迎えに行かないとね!
『じゃぁ、鶴さん!早速行こう!』
私は目の前の本丸の門を開いた。
瞬間、優しい空気に包まれた。
この空気は審神者の霊力の力が影響を受ける。
こんな優しい空気だなんて、こんちゃんから聞いてた通り
とても優しい審神者なんだな。
「優しい、空気だ…。主のはもっと大きく包まれてる感じの優しさだが、ここは両手で包んでるみたいだ…」
鶴さんの表現は言い得て妙だ。
『ほんとだね、こんな素敵な本丸で過ごしていた子達なんだね…』
「大切にされてたんだろうな…」
少し鶴さんの心が追い付いてないかな…。
これなら逆に大変な本丸の方がもしかしてよかった?なんて思うけど
変な憶測は止めておこう。
『鶴さんもこれから毎日、嫌って言うほど私が大切に大事にするよ!』
「…!主にそう言ってもらえると安心する。」
『よれはよかった笑
じゃぁ、ここの審神者と二振りの刀剣男士、そして政府さんが向こうで待ってるから行こうか』
「あぁ、政府のやつは昨日の優男か?」
優男って…笑
鶴さんからそんな言葉が出てくるとは、鶴さんの言葉を借りれば驚きだな笑
まぁ見た目はそんな雰囲気だけど、でもちょいちょい漢!って感じのが出るからそれ見たら鶴さんも驚くだろうな…笑
まぁでも今は優男って事にしとこ…笑
『そうだよ笑』
政府さん、いつか聞いたら自分で誤解解いてね笑