第6章 初期刀と新たなる刀剣男士
「なるほどなぁ」
『鶴さんはほんとに大丈夫…?』
「あぁ、俺は大丈夫だ!だが、少しホッとしてるところもある。」
『え?』
「次にここに来るやつが、俺みたいな思いをしてるやつじゃなくて安心してる。
もし俺と同じ思いをしてるやつだったら、主との時間を我慢しないといけないだろ?」
『え?鶴さん?それって…』
「俺はまだ昨日会ったばかりだが、もうすでに主が好きだ!
主が俺の新しい主になってくれて嬉しいと思ってる!
だが、俺と同じ思いをしてるやつや俺より酷いやつが来たら、流石に昨日や今みたいに主と話す時間も譲らないといけないだろ?」
『鶴さん…っ!』
「でも今話を聞いたらその二振りは今までずっと幸せに過ごしてたみたいだし、俺みたいな思いもしてないならその二振りが幸せでよかったと思ってる。
まぁ、実際は主との時間をそいつらにたくさん譲らなくていいって言うのが本音だなっ!」
『…鶴さん』
「なんだ?」
「うおっ!!」
私は思いっきり鶴さんに抱き着いた。
鶴さんは一瞬後ろに倒れ掛けたが、片手を後ろに付いて支え、反対の手で私を抱き留めてくれた。
鶴さんは自分だって辛い思いをしていたのに、次に来る子の経歴の方を心配していた。
そして、昨日出会ったばかりの私を好きだと言ってくれた。
それがどれだけ嬉しかったか、言葉にするには難しいくらいには嬉しい気持ちでいっぱいだった。
「あ、主!?君、急に抱き着いて来たらビックリするだろう?」
『グスッ…ヘヘッ、驚いたか?笑』
「全く、泣いて笑って俺の真似をするなんて主の感情に驚きだな笑」
『鶴さんが優し過ぎるから嬉しくなって抱きしめられずにはいられなかっただけだよ』
「だからって泣かなくてもいいだろう?笑」
鶴さんはまた私の頭を撫でてくれた。
今度は恐恐とでもなく、ぎこちないわけでもなく、ただ子供をあやすように優しく。
鶴さんの頭なでなでは私の気持ちを落ち着かせる効果があるようだ笑
鶴さんに言ったら毎日してくれるかな、なんて笑