第5章 動き出した本丸と初期刀の初日
その後、厨の場所、厠の場所を教えて鶴さんのお部屋に帰ってきた。
『鶴さん、とりあえずすぐに覚えた方が良さそうな所は回ったけど場所は覚えられた?』
「あぁ!大丈夫だ!」
『よかった!』
『今日はもう夕方になったし、私ご飯の準備してくるから
鶴さんは先にお風呂に入ってきていいよ?
今日1日で疲れたでしょう?今までも気を張り詰めてただろうし…』
「まだ、疲れたという感覚が分からんが風呂には入りたいな!
あの露天風呂とかいうのも外で風呂に入れるなんて贅沢だ!!」
『ふふっ笑 もうお湯も溜まってるだろうから行っておいで?
あ、因みに苦手な食べ物とか分かる範囲でいいから
今まで食べた物の中で嫌いな物とかある?』
「ん〜、そうだな…特には無かったが、キャベツという野菜は少し苦手な味だったな」
『キャベツ…青臭いのが苦手だったの?』
「あぁ、レタスや白菜、他の葉物は食べれたんだが
キャベツだけは生では食べれなかった…」
『生ではってことは、生じゃなかったら食べれたの?』
「あぁ!!鍋とか味噌汁に入ってるのは食べれたぞ!
光坊が昔は色々と工夫してくれていた」
『ドレッシングとかは?かけても生は食べれなかった?』
「胡麻の味のドレッシングでなら食べれたが、芯の部分はドレッシングでも食べれなくて光坊が葉っぱの柔らかい部分だけ俺の皿には乗せてくれてたな」
『そっか、わかった!
じゃぁ何か鶴さんが驚くような、好きそうなご飯用意しとくね!』
「楽しみにしてるぞ!」
『うん!じゃお風呂行ってらっしゃい!』
鶴さんをお風呂に見送り、私は厨に向かい早速料理を始めた。
小さい頃から祖母の料理のお手伝いをしていたおかげで
料理を作るのは嫌いじゃないし、どちらかと言えば得意な方ではある。
今日は鶴さんを驚かせる為に和食ではなく、洋食にすることにした。
鶴さんなら今まで刀の姿でも、和食は目にしていたであろうが
洋食はあまり見てないはず。
そんな単純な理由で洋食に決めたけど、この選択は正解だったみたいだ。