第5章 動き出した本丸と初期刀の初日
『他にも色々あるよ〜!それにね、この餡子は鶴さんが食べやすいかなって思ってこし餡っていう餡子の方を選んだの』
「こし餡?」
『この茶色い餡子にもこし餡とつぶ餡っていう2種類があってね?
このこし餡は滑らかな舌触りでしょ?』
「あぁ、口の中ですぐ溶けた」
『つぶ餡っていうのは、こし餡になる前って言ったらいいのかな。
まだ小豆の豆が少し残った状態で、舌にお豆の感触が残るの。
人にもつぶ餡の粒が残る食感が苦手って人も多いから
鶴さんももしかしたらって思ってこし餡の方を選んだんだ!』
「そうだったのか…主には知らないところで気を使わせてしまってたんだな」
『もぉー!鶴さんさっきからそればっかり!ここはそういう子が来るところって私だって知ってて
ここの審神者やってるんだから気を使うのは当たり前なの!
それに普通の本丸の審神者でも、こうやってしてくれる審神者もいるはずだよ?』
「そうなのか…?じゃぁ俺は鍛刀された場所が悪かったんだな」
『審神者には恵まれなかったかもだけど、ここでは楽しくすごそう♪』
「そうだな」
『うん!つぶ餡も今度食べさせてあげるね!
じゃ、今度はこっちの桜の形の方の白餡、食べてみて〜!』
「いただきます…」
鶴さんは素直に桜の形が可愛らしい桜色の最中を食べた
「…ん?さっきの黒い方に比べると少しあっさりしてる気がするが…」
『おっ!鶴さんもしかしてグルメなのかな?笑』
「?どういうことだ?」
『ふふっ笑 悪い意味じゃないよ笑
あっさりしてるってちゃんと気付いてくれて嬉しいよ!
白餡も黒餡も作り方はほとんど同じなんだけど砂糖の量とか
豆が違うだけなんだよ!』
「そうなのか」
『うん!驚いた?笑』
「ふっ、あぁ、驚いた笑」
『ꉂ( ,,´ლ`,, )<ब<ब 鶴さんはどっちの餡子が今のとこ気に入った?』
「ん〜、そうだな。
悩ましいが、この白い方があっさりしてて甘過ぎないのがちょうどいいな」
『じゃぁ、これもまた買ってくるね!で、一緒にお茶しよ!』
「あぁ、楽しみだ!」
鶴さんと私はその後も、のんびりお茶をしながら過ごした。