第5章 動き出した本丸と初期刀の初日
スタスタ スタスタ
私達はのんびり歩きながら鶴さんのお部屋に向かっていた。
『ねぇ、鶴さん』
「ん?なんだ?」
『答えたくなかったら答えなくてもいいんだけど、前の本丸にいた時は伊達組のみんなと同じお部屋だった?
それとも別の誰かとかだった?』
「主は気を使ってばかりだな笑
前の本丸では伽羅坊と同じ部屋だったな」
『そりゃ気も使うよ…思い出したくないことまで思い出しちゃうかもしれないって思うし…。
でもお部屋は伊達組がみんな揃ってたわけじゃないんだね?』
「前の主は力は確かにあった…だから本丸内も広かった。こことは比べ物にならないくらい小さいけどな笑
だが、広い本丸だったから部屋数も多くて、光坊と貞坊が同じ部屋で俺と伽羅坊が同じ部屋だったんだ」
『なるほどね…』
『鶴さんはここの本丸ではお部屋、一人部屋がいい?それとも伊達組揃ってとか誰かと一緒がいいとかある?』
「選べるのか?」
『これもここに来る子によるけど、鶴さんがもしこの男士と一緒のお部屋がいいって思ってても
その男士との相性が悪かったら一緒のお部屋には出来ないかな…』
『でも、相性さえ良ければ一緒のお部屋にしてあげれるよ!
同じ刀剣男士でも個体によって性格が違うから、鶴さんと合う個体の子ならいいんだけど…』
「なるほど、そういうことか。なら俺は誰でも大丈夫だ。
いろんなところを渡り歩いた俺には知り合いの刀がたくさんいる。伊達組にこだわりはしない!
まぁでも…1番を決めろと言われればやっぱり伊達組の奴らだけどな!」
『そっか、わかった!
じゃぁそこはゆくゆくって事でのんびり気ままに決めよ!
とりあえずは一人部屋でゆっくりくつろいで?
寂しかったらいつでも私の部屋に来てくれてもいいし♪』
私も寂しくなったらすぐ鶴さんのお部屋に
押しかけちゃうよって言ったら鶴さんはクスクス笑ってた。
こんなに笑顔を見せてくれるなんて、やっぱり引き取ってよかったと心から思う。