第4章 鶴丸国永
鶴丸side
俺のいた本丸に俺と同じ、真っ白な服を纏った女が来た。
俺の殺気に怯えることもなく真っ直ぐな目で俺を見てきた。
とても綺麗な目だと、素直に思った。
この本丸にはよく政府が来ていた。
大方、俺を連れて行こうとしたんだろうが
どいつもこいつも門の前で怯んで帰って行った。
時々、頑張って写真とやらを隠れて撮っているやつもいたが
撮り終わるとすぐに帰って行った。
陸奥守がいた頃は、あちこちでカメラの音がしていたものだ。
その後、政府はパッタリと来なくなった。
このまま誰も来ず、俺は人の身を無くし刀に戻るのだろうなと思っていた。
大切な仲間をあいつは傷付けていたのだから首を斬った。
審神者の首を斬れば人の身など保てない、だがそれでもいい…
俺の目の前で光坊と伽羅坊、貞坊まで痛め付けた。
光坊は貞坊を守るために折れた。
伽羅坊は自分のせいで折れたと泣き崩れていた貞坊を慰め、あいつに刃向かった。
刃向かったからという理由で伽羅坊も折られた。
貞坊はどんどん心が病んで、最終的にはあいつに煩いと折られた。
俺は光坊も伽羅坊も貞坊も守ってやれなかった。
他の仲間たちもだ。
だがあの本丸で1番強かったのは俺だ。
だから俺が最後まで残り、あいつの首を斬り落とした。
あいつが今まで何振りを折り、刀解し、心を病ませてきたことか…
だからあいつの首を斬った時、これで楽になれると思った。
そんな時にあの真っ白な女は来た。
政府も連れて…