第4章 鶴丸国永
気まずいような何とも言えない沈黙が数分流れる。
「……、なぁ君」
『っ!は、はい!!』
「もし君が嫌じゃなければ、君の事を主と呼んでもいいか?」
『…っ!もちろん!!』
「それとさっきの政府と同じ様に、俺にも話してほしい…。」
『…っ、いい…の?』
「もちろんだ、むしろ今まで演練とかに行っても君のような丁寧な話し方をしてる審神者はあまりいない。」
『じゃ、じゃぁ…、鶴さんって…呼んでもいい……?』
「あぁ、そう呼ばれるのも久しぶりだ。嬉しいもの、だな…」
『…うぅ、私も嬉しいよ〜‧º·(˚ ˃̣̣̥ㅿ˂̣̣̥ )‧º·˚』
「おいおい、君はまた泣いているのか…?」
『ごめん、な、さい…、嬉しくて…』
『鶴さんと普通に話せるなんて嬉しくて…』
私はまたしても涙をポロポロと流してしまった。
鶴さんに会ってから泣いてばかりだ。
このままでは鶴さんに情けない主認定をされてしまいそうだ…
「君は……俺の次の主は、随分と泣き虫なんだな?笑」
『っ!鶴さんが!鶴さんが!鶴さんが笑ってくれたっ……!』
『私、鶴さんの笑顔すごく好きだ〜‧º·(˚ ˃̣̣̥ㅿ˂̣̣̥ )‧º·˚』
「俺も素直に笑ったのは久しぶりだ。君といると笑う事がこれから増えそうだ」
「だがそろそろ、泣き止んでくれないか?
俺の本体が涙で錆びてくれたら困るんでな?笑」
『うわぁぁぁん、泣き止むから〜!ちょっとだけ待って〜!!』
無事に初期刀を迎え、この里親本丸の初めての引き取りは無事に完了。
でも私は泣いてばかりで鶴さんに
また頭をぎこちなく不器用に
でも優しく撫でられて慰められることになった。
目指すは初代里親本丸の審神者様、
なのに初っ端から泣いてばかりのスタートで
迎え入れた刀剣に慰められるとは大丈夫なのだろうか…
という私の気持ちはあるけど少しずつでも強くなって、たくさんの子たちを救い出せるように頑張ろうと決めた瞬間でもあった。