第4章 鶴丸国永
「!?っ、だめだ!君!
名前を返す事は出来ないのか…!?」
『残念ですけど、貴方様が返事したので契約は成立しました。
大丈夫ですよ、気にしないでください♪
普通、審神者は刀剣男士に真名は教えません。
それは人間だから…
でも私は不老不死で半分人間じゃありませんから、完全に魂を握られる事は一生ありません!
それに付喪神様は神様の階級で一番下です。
土地神様ならまだしも人間じゃなくなった私に
そんな大層な祟なんてかけられない事も
神隠しをすることも出来ない事は目に見えてますから!』
「不老不死…ほんとに大丈夫なんだな?」
『はい(*^^*)
思っていたより鶴丸国永様は心配性なのですね〜!』
「……君は俺の主になるんだ。鍛刀されたわけではない、引き取られた刀ではあるが
主になる相手の心配くらいはするさ。」
『っふふ♪』
「?俺は何かおかしな事を言ったか?」
『いいえ!とても優しい素敵な刀を、大好きな刀を初期刀として
そしてこの本丸の仲間として、家族として迎え入れられた事がとても嬉しくて♪』
「…そうなのか…?」
人としての感情がまだ追い付いていないのか、よく理解してないようだ。
『唯一、驚いているのは鶴丸国永様はランクがAという非常に危険な状態だったにも関わらずこんなに素直にお話してくださり、治療もさせてくださることです。
契約したとしても、もっと刀を振り回したり暴れたりするのかと思っていたので大人しくされてるのにも驚いてます。』
「…あの時、君が俺の前で泣きながら刀の姿の時の俺に会い、迎えに来るのが遅くなったと言われた時に薄々は気付いていたが
この本丸に入った瞬間に確信に変わったんだ。
君が本当に俺を、刀を傷付ける審神者ではないと。
だから抜刀する理由も、暴れる理由もないと思った。」
『本当に審神者の力って刀剣男士に伝わるんですね!
私の想いが無事に貴方様に伝わってよかったです!』