第3章 私の初期刀
『先程は泣いてしまって、上手く話せませんでしたが
私は現代にいた時から刀剣は大好きだったんです!
その中でも特に好きだった刀剣が貴方様、鶴丸国永様と三日月宗近様です。
貴方様が先程感じた、会ったことがある気がする…というのも、もしかしたら現代で刀の姿でしたが貴方様と会っていたからかもしれません。あくまで推測ですが……』
「…………そうか、」
「……審神者」
『はい』
「俺は主の首を斬った」
『…はい』
「それでも、俺は君の本丸に行ってもいいのだろうか…?」
俯きかけていた私の顔はバッ!と上を向き
彼を鶴丸国永の顔を見上げた。
『…っ!もちろんです!!
むしろ来てほしい、貴方様と過ごしたい…ですっ!』
『貴方様にここで、消えてほしくない…っです!!』
また泣きそうになりながら心からの言葉を彼に伝えると
ほんの少し、よく見なければ分からない程度だが広角がちょっとだけ上がった気がした。
「…、なら俺は君の元へ行こう。ここでの思い出はない。仲間たちがこのままだというのが不憫だが…」
『大丈夫です!そこは任せてください!』
「どういうことだ?」
『私が、彼らを暖かい場所へ送って差し上げます。政府さん、いいですよね?』
それまで静かに傍観していた政府さんが「もちろん」と一言。
『大丈夫です。怖い事も痛い事もありません。』
彼らに言い聞かせるように、隣にいる鶴丸国永に伝えるようにそう言うと
私は両手を祈るように合わせ瞼を閉じた。