第3章 私の初期刀
『…っふ、うぅ……、なぜ、そんなに優しいのですかっ…!』
私は途切れ途切れになりながら彼に聞いた。
すると撫でていた手を下ろし、私と目を合わせた。
陰っている、光のない目を…
そして静かに答えた。
「なぜ、だろうな…?」
「俺は君を知っている気がした。審神者になったばかりと言っていたが、俺はどこかで君と会っていたような気がしたんだ。」
その言葉を聞いて私は驚き、さっきよりも泣いてしまっていた。
あまりに泣き続ける私を見た鶴丸国永はもうどうしていいのか分からず、何をするのが正解なんだ?と政府さんに目で訴えている雰囲気すら漂わせ私の前で、私が泣き止むのを待っていてくれていた。
とても優しい刀…私が大好きになった一振り
やっぱりこの鶴丸国永を助けたい!!
私はまたしても思い切り袖で涙を拭うと彼に向かって言い放った!
『鶴丸国永様!たくさん、たくさん、驚かせてしまい気を使わせてしまい、大変申し訳ありませんでした!!』
『私は先程話したように、里親本丸の審神者です!!
お願いします!!鶴丸国永様、貴方様を私の本丸にお迎えさせてください!!』
私は誠心誠意、心を込めて、頭を下げながら彼に頼んだ
彼からの殺気は私が泣き喚いた時に、既に消えていた。
殺気を放っているより、なぜ泣いているのかという方が気になってしまったのだろう。
「………審神者」
『っはい!!』
「その里親本丸というところに行けば、また仲間に、友に、会うことは出来るのか…?」
『っ、必ずとは言えません。里親本丸では鍛刀はしないですし、傷付いた子や
審神者の事情によりどうしても本丸を保つ力が無くなったりした本丸から刀剣男士を引き取る所ですからから…。
でももし貴方様の大切に思っている方々が助けを必要としているならば、私は貴方様をお迎えに来たように、その方々もお迎えに行きます!』
「君は俺を大事にしてくれるのか…?」
『もちろんです!!』