第3章 私の初期刀
「……それで、話とはなんだ?」
彼はカチャリと刀を鞘に収めると聞いてきた。
『本当に聞いてくださるのですね』
「俺が嘘でも言ったのかと思ったのか…?」
『殺気も強いですし、油断させてブスリと刺されると思っていたのでかなり驚いてます』
私は素直に嘘偽り無く思ったままを口にした。
その方が彼には良いような気がした。
所謂、審神者の勘ってやつだ。
「さっきも言ったが、君の力の強さはこの空気で分かる。それだけの強さを持っている相手にそう簡単に手を出せるとは思わない。」
『……………』
「その無言はどう言う意味だ?」
『…はっ!申し訳ありません!!思っていたよりお話してくださるので感激してっ!!』
「…感激?よく分からんが、端的に聞く。君は何者だ?何をしにここへ来た?なぜ政府の奴といる?」
『ふぅ………』
私はまた1つ深呼吸をして話を順番に丁寧にゆっくり始めた。
『少々長くなりますが、聞いていただけますか?』
「…あぁ、さっき話を聞くと言ったからな。話が終わった後は知らん」
『はい、ありがとうございます。鶴丸国永様』
私はまた少し微笑んで彼に話をすることにした。
それと同時に思った。
彼はちゃんと自我を持っていたし、力の差がある事も分かっているようだ。
彼の瞳は影を落としていても、心までは陰りきっていない。
光を、太陽を差し込めばまた…
そんな期待が私の心に芽生えていた。