第9章 初期刀のワガママと主のお仕事
その後の鶴さんは手加減出来ないといいながらずっと気遣ってくれていた気がする。
でもまぁ、確かに途中で止める気は無いとは言ってたけど
朝日が見えかけるまで続くとは思わなかった……笑
明日の朝、いや、今日の朝と言う方が正しいかな…
朝餉を作れる気がしない…。立てるかすらも不安だ(-∀-;)
でも…、鶴さんの寝顔を見ると安心したような、ちょっと微笑んでいるような顔で寝ていた。
鶴さんは前の本丸で初めて私に会った時も、この本丸に来た時も、物吉くんや日向くんが来た時も
常に自分より周りのことを優先してくれていた。
だからこそあの日にたくさんの〈お願い〉を聞けて、やっと鶴さんと向き合う事が出来た気がした。
まだまだ鶴さんには我慢をさせてしまっている。
だから物吉くんや日向くんには申し訳無いけれど、もう少しだけ
鶴さんと向き合う時間をちょうだいね…?
鶴さんもきっとそう思ってるんだろうな、なんて、勝手に思ってるんだけど
私がそう思うのは鶴さんの今までの言動からなんだろうな…。
でももし鶴さんと向き合う時間から一旦離れたとしても
鶴さんのことをきちんと見ていようと改めて心に、自分自身に誓おう。
「……ん、主?」
『あ、鶴さんおはよう!起こしちゃった?』
「…、いや、目が覚めただけだ…」
『まだ眠そうだね?』
「…そうだ、な、、」
グイッ
『ひゃっ!?』
「ふっ、色気の無い声だな」
『…っ、色気が無くてすみませんね!!ふんっ!』
「主、悪かったから顔を逸らさないでくれ。こっちを向いてくれ。」
『……………はぁ〜』
「……悪かったって」
『そういう意味のため息じゃないの…』
「違うのか?じゃあ何のため息だ?」
クルッ
私は鶴さんの方を向いた。
『私は鶴さんにはどうやら甘いんだな〜って、自分に呆れてたの』
「俺に甘いとダメなのか?」
『鶴さんには元々フィルターがかかってるんだよ…』
「フィルター?って何のことだ?」
『鶴さんは知らなくていいよ!あ、そうだ!鶴さんにお願いがあるの!!』
「なんだ?」
私にとって鶴さんにはフィルターがかかってる。
だって刀の姿の時から惚れ込んでたんだから……