第9章 初期刀のワガママと主のお仕事
そんなこんな厨でバタバタしながら、夕餉をみんなで楽しく食べた。
鶴さんはやっぱり葉物が苦手なのか水菜を一口だけ食べた後は水菜にはお箸を付けなかった。
苦手?って聞いたらトマトの味で食べやすくはなってるけど
噛んでトマトの味が無くなると口の中に残る葉の食感が無理だったらしい。
まぁ、これも練習あるのみかな…
物吉くんと日向くんはどの食材も大丈夫そうで、トマトは特に気に入ってくれたようだった。
トマトは前の本丸の畑でもミニトマトだが、審神者と作っていたらしく、懐かしい味であり安心出来る味だったようで美味しいと食べてくれた。
最後の〆にご飯を入れて今度は粉チーズではなく、ピザ用のチーズを散らしてリゾットにしてあげると
これはみんな美味しかったようで、鶴さんもおかわりまでして食べてくれていた。
みんなの美味しそうに食べるところを時々写真で撮りつつ、私もトマト鍋を楽しんだ。
お鍋はやっぱりみんなで囲むと美味しさが倍増する気がする。
今度は違うお鍋を作ろうと話したら喜んでくれて、またお手伝いもしてくれると三振り同時に言ってくれた。
お鍋を囲んでいる間、物吉くんも日向くんも鶴さんのお世話をよくしてくれていた。
小皿に具が無くなると注ぎますよ!と代わる代わる入れてくれて
水菜に苦手意識を持っていることにもすぐに気付いて、水菜以外のおかずをお皿に盛ってあげていた。
鶴さんも気軽に話しかけてはくれるが、必要以上に自分のパーソナルスペースに入って来ない絶妙な二振りの接し方に安心したのか、お鍋を囲んでいる間は気を抜いてご飯を味わえていたように見えた。
きっと二振りが鶴さんの嫌だろうと思っているパーソナルスペースや言動にすぐに対応出来たのは、前の本丸で加州清光の事を気に掛けて行動していたからだろう。
悲しいかな、でもそのおかげで今は随分と助かっている。
鶴さんの次に来た子がこの子達でほんとに良かったと改めて思う。
夕餉を食べ終わり、片付けも手伝ってくれてすぐに終わったので
みんなでまた広間に戻り、先に鶴さんに話していた現代の話を二振りにすると
すぐに「行きたい!」と満面の笑みで言ってくれたので政府さんにその場で伝え、
準備の時間も考え、明後日、現代にみんなでお出かけすることになった。