第3章 私の初期刀
ヴィーン
カチャカチャ
『…ん!開いたよ!』
政「よし、んじゃ見ていくかね」
カチャカチャ
『ん〜、こうして見るとやっぱり打刀や太刀が多いね。短刀は全然見当たらない…』
政「短刀はすぐに折られたりされやすい上に、出陣させっぱなしとかで疲弊して…とか不正本丸では打刀や太刀に比べると扱いが雑で折れずに生きてる子が少ない。」
『どうして男士たちにそういう仕打ちする人達が審神者としての力を持っちゃうんだろ…。そもそもそういう人達が選ばれなければ、こんな可哀想な子たちいないのに……』
政「そうだよな、おれもそう思うよ。でも審神者の力を持ってる人間すらも今は少なくなってきてるから審神者になって貰わなきゃ、こっちもそれはそれで困るからな…」
『そうだよね………』
カチャカチャ カチャカチャ
私は政府さんの隣で静かにタブレットをイジりながら
初期刀にする子を見ていた。
カチャカチャ カチャカチャ
『え………………』
政「シエルちゃん?」
政府さんがいつの間にか用意して飲んでいたお茶の湯呑みを持ったまま私に声をかけた。
政「シエルちゃん?どうした?………って」
政「なんで泣いてんだっ!?」
私の目には涙が溢れてて、政府さんの声で一気にその涙はこぼれた。
政府さんは慌てて湯呑みを置いてスーツのポケットからハンカチを取り出し、私に渡してくれた。
でも私の涙は中々止まらなくてやっとの思いで政府さんに言えた言葉は…
『っ…!政府さん、この刀…』