第5章 2024年9月8日
あの…セトレでぷち結婚式を
彼がサプライズで用意してくれた時の
オリジナル花嫁衣裳姿になる。
『巴ねぇね、綺麗ねぇ~』
と甥っ子の大和が手をパチパチと
拍手して褒めてくれたから。
綺麗になっているん…だろうと…信じて。
『凄いですね、普通のドレスが
あっという間に
ウエディングドレスになって』
あっちの…人が…一番、
普通のドレスが
ウエディングドレスになる
この変身に
いいリアクションをしてくれて。
今はもう外で、旦那さんの
港斗君単体で撮影してるらしくて。
妹の千冬にエスコートして貰って、
反対の手は大和にエスコートして貰って。
アトアへと続く階段の方へ向かうと。
既に彼がアトアへと続く階段の所で
撮影をしている最中で。
ヘアセットしてるからなのか、
それとも見慣れないタキシード姿
だからなのか…、自分の旦那さんなのに
妙にどきどきしてしまっていて。
港斗君は…イケメンでカッコイイけど。
いつも以上に…イケメンに…見えてしまう。
『港斗君、カッコイイね?』
「ちょ、千冬…何言って…ッ…」
『大丈夫、
巴姉も…綺麗だからさ。
だって、この千冬さんが
メイクしたんだもん…でしょ?』
ほら、行って来いと言われて。
こっちが…少し前に出ると。
撮影をしていた彼が…こっちに
気が付いて…お互いの視線がぶつかる。
一瞬…時間が止まったみたいになって。
それから…彼の…
港斗君の顔が笑顔になって。
その笑顔にどきっとしてしまった。