第6章 9月の14日~16日の3連休
『このエリアの展示は
大人向けと言うか、美術館みたいな
アーティスティックですよね?』
「泳いでるんだけど、飛んでるみたいだし
魚が…舞っているみたいにも見えるね」
真っ黒のヒラヒラしてるのに
尻尾がシュッと細い魚が居て。
『あ、これ、この魚
みなとやま水族館にも居ましたね。
えっと…名前は、
ブラックゴーストナイフフィッシュ』
お腹にある大きなヒレが
ヒラヒラと大きく波打つ
独特な泳ぎ方をする魚。
『あ、巴、これ、この魚。
身体、シースルーになってますよ』
とある水槽の前で彼が
中の魚を指差して言って来て。
そこには
トランスルーセントグラスキャットフィッシュ
って言う名前の透明なスケスケボディの
ナマズが泳いでいて。
『透明なナマズも居るんですね…
こんなスケスケのカエルも
居ましたよね?中が見えるやつ』
と…彼がこんな話をして来て
確かどこかでお腹がスケスケの
カエルを見た様な気がするなぁ…と
そんな事を考えながら。
その先にある…カップルが
壁に持たれながら眺めている
大きな球体のスクリーンのある
WONDWR MOMENTSのエリアに出て。
球体のスクリーンと床に
デジタルアートの映像が映し出されて。
水の中や宇宙空間、
お花が…咲いたり…して
色々な…世界がここに凝縮している。
「凄い…、綺麗…」
『昼間だと子供ばっかりで、
ゆっくり落ち着いて見れませんし…』
そのエリアでしばらく、
色々な映像アートを楽しんで。
その大きな球体を眺めながら
1階から2階へと移動して行く。
1階は白い壁の空間だったけど、
2階に行くと雰囲気がガラッと変わって。
グレーの壁にマーブルみたいな
そんな模様が描かれている。
”かくれるにふれる”のエリアに出る。
そのテーマの通りにここには
隠れる、擬態を得意とする
生き物達が集められている。
大きなナナフシが居たりとか、
ハナビラウツボの顔になっている
柄をしたシモフリタナバタウオ。
枯れ葉みたいな柄になっている
ナンヨウツバメウオの幼魚。
「これだっ、居たっ!
港斗君、さっき話してたカエル
お腹がスケスケのカエルいたよ」