第10章 エピローグ
誠一の中では、私とはどんな存在なのだろう。
そう思わずにはいられなかった。
私は、トオルと別れた後、また主婦業に専念した。
何かを吹っ切るかの様に部屋の隅々まで掃除をしていったのだ。
料理も誠一の好きなものを沢山作った様に思う。
私のか中にも少なからず誠一に対して心苦しさを感じていたのかも知れない。
そんな、罪滅ぼしの様な気持ちで私は料理をしていた様に思う。
期間限定という名の恋愛をして、それが終わり私は夫の誠一の元に戻ったのだ。
今は、とても静かな生活を送っている。
だが、誠一とのセックスレスは解消されていなかった。
私の心と身体は徐々にではあるが、また枯渇してゆく。
そんな、枯渇している自分を感じていたある日のこと。
私のスマホのSMS(Cメール)にメッセージが届いたのだ。
誰かと思い見てみた。
それは、トオルからだったのだ。
私は非常に驚いた。
トオルが結婚してから3か月くらいが経っていたと思う。
そのメッセージにはこう書いてあった。
「美都、結婚て難しいね…」
そう一言書いてあった。
私は、それを読んで返事を書こうと思ったがやめたのだ。
もう、トオルは結婚している。
今いる可愛い奥さんを大切にしなければいけないと私は思っていた。