第8章 限定期間
「そうよ、大変よ。トオルは大丈夫なの?」
「イヤ、彼女と呼ぶ人で揉めてるよ…」
「やっぱりね…」
「それと、ウェディングドレスの衣装でも揉めてる…」
「それ、分かるわ…」
「結婚てさ、二人だけの問題じゃなくなるよね?」
「そうね、お互いの両親とか親戚とかが絡んでくるからね…」
「そうだよね…」
「難しいと思うわ…」
「美都との期間も後少しで終わるよね…」
「そうね…」
それを書くととても淋しくなった。
結婚してしまったら、当たり前だが、もう二度と会えなくなるだろう。
それを思うと淋しくなるのだった。
でも、期間限定の関係だったので、燃え上がりハマったのかも知れなかった。
現に、私はトオルにハマっていたのだ。
厳密にいえば、彼とのセックスにハマっていたのかも知れない。
誠一とのセックスレスの関係から救ってくれたのはトオルだったのだから。
私のこの乾ききった心と身体を癒し、満たしてくれたのはトオルだった。
そんな、トオルとも別れなくてはならない時が迫っていた。
その時、私はどうなるのだろう。
泣いて、叫ぶのだろうか。
期間限定でも、心のどこかで割り切れていない自分を感じていた。