第8章 限定期間
季節は移ろい、クリスマスを過ぎて、お正月を迎え1月になっていた。
私は、“季節限定”とか“期間限定”とか“限定”と言う言葉にとても弱かった。
何故だか、期間限定と言う言葉が好きだったのかも知れない。
そんな、トオルとも期間限定の付き合いだった。
もう季節は1月になってしまった。
トオルは4月には結婚してしまう。
トオルと会えるのも後少しだと思うと、とても淋しかったのを覚えている。
この頃、トオルと何を話したのか余り覚えていなかった。
何しろ、結婚式を目前にしているのだ。
結婚式の準備でトオルは忙しかったに違いない。
私も、結婚式を誠一としたので、その多忙さは知っている。
どこの誰を何人呼ぶのか。
同年代の友人はご祝儀を包むのが大変だろう。
そう思い、二次会に誘ったのを覚えている。
そして、結婚式を神前でやるのか、人前でやるのか。
それも、決めなくてはならない。
披露宴の料理はフランス料理にするのか、イタリアンにするのか、中華にするのかはたまた日本料理にするのか。
叔父や叔母が多ければ、日本料理か中華が良いと思われるが、同年代の友人が多ければフランス料理やイタリア料理が良いと思われた。
ご祝儀を包んで頂いた方へのお礼の品も考えなくてはならない。
それに、ウェディングドレスの試着をして、それも選ばなくてはならなかった。