第7章 逢瀬
「美都、これが潮吹きだよ…」
私はそのことを知ると驚いたのだ。
生まれて初めての経験だった。
その後、トオルはバスタブの蛇口を勢いよくひねるとお湯を張り始めた。
蛇口から勢いよく湯気を上げたお湯が出て、バスタブを満たしてゆく。
お姫様抱っこをされて、そのバスタブに優しく入れられた。
「美都、少し身体温めてから出ておいでね…」
そう言うと、彼は私をバスタブに残してバスルームから出て行った。
私は、今の出来事を考えながらお湯に浸かっていた。
潮を吹かされた時、言い知れない快感を得ていたのだ。
バスタブに暫く浸かってから、私はバスタオルを胸に巻き部屋に戻った。
トオルは、ベッドの中で寛いでいる。
私もベッドに潜ると彼にこう聞いたのだ。
「何故、私が潮を吹く身体だと分かったの?」
「え?それは、美都の身体にGスポットがあったからだよ…」
Gスポットなるものも私は知らなかった。
そんな説明を聞いているうちに、またトオルがキスをしてくる。
さっき、勃起して収まっていたペニスがまた勃起し始めたのだ。
私たちは、逢瀬を繰り返し、この日も何度もセックスをした。
25歳のトオルは何度でも逝けたのだった。
私は、トオルと会っている時、完全に夫、誠一の事を忘れ去っていた。
この時、トオルにハマり心まで奪われてしまうのではないかと思うようになっていった。