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青い果実

第6章 青い果実


横浜に着くと、土曜日の夜とあってか、大勢の人でいっぱいだった。
私とトオルは手ごろな値段の居酒屋を探した。

前回行った和風居酒屋はかなりの値段がしたと思ったからだ。
刺身盛り合わせに、煮魚で5,000円はくだらなかったに違いない。

当時、トオルがどのような仕事をして、どこに住んでいたのかも私には思い出せなかった。
母親と一緒に住んでいたのだろうか。

それとも、一人暮らしだったのかも思い出せなかった。
ただ、鎌倉の帰りに横浜に行き、一緒に飲んだことは覚えている。

私たちは、手ごろな値段の居酒屋を見つけた。
その居酒屋はちょっとお洒落で可愛い感じがした記憶がある。

店内に入るとカウンター席を案内された。
そこに二人で腰かけて座った。

店内には何故か分からないがウサギの小物類でいっぱいだった。
ウサギの置物や暖簾、壁にはウサギの可愛らしい手ぬぐいなどがタペストリーの様に張られていた。

ウサギはとても可愛い動物だと思うが、実際に飼うとなると難しいと聞いたことがある。
最近は、ウサギブームだとも言われている。

そんな、ウサギのグッズが沢山置かれている居酒屋で私たちは飲みながらお喋りをした。

「今日は、どうだった?」
「ええ、愉しかったわ…」

トオルはそれを聞くととても嬉しそうだった。

「美都とこうして鎌倉に行けて良かったよ…」
「私も、同じよ…」

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