第1章 プロローグ
誠一とは相変わらずセックスレス状態だった。
そんな中、私は今年ひとり淋しく、39回目の誕生日を迎えた。
私は39歳になっていた。
ヤマザキを失ってから、私の身体はまた以前の様に枯渇していた。
来年は40歳になる。
私の心は何故だか焦りを感じていたのだ。
もう、女として終わってしまうのだろうか。
そんな事を考えていた頃だったと思う。
その頃、私はネットのチャットにハマっていた。
専業主婦の仕事をしながら、夜はチャットにハマっていたのだ。
今はLINEでチャットができるが、その頃はパソコンでチャットをしていた。
そのチャットはとても愉しいものだった。
本名も知らない年齢も分からない、ハンドルネームだけの世界でのお喋りに私はハマった。
私は、毎晩のように色々なカテゴリーのチャットルームに入ってはお喋りを愉しんだ。
私にとって、その時のチャットは唯一の救いであり、癒しだった。
セックスレスと言う名の病に侵されていた私にとって、本当にそれは癒しだったのだ。
毎晩、色々な人達とお喋りをしていた。
そんな中、出会いのチャットルームを見つけたのだ。
そこのチャットルームに入ってみた。
そこの、ルームはとても若い人が多かった様に思う。
実際、みな年齢も性別も本名も隠してハンドルネームだけで会話をしていたので、確実な根拠があった訳ではないが、雰囲気で若い人が多いのではないか。
その時、そう感じていたのだ。
39歳の冴えないオバサンの私が会話に入ってゆけるのだろうか。