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綺麗な薔薇には棘がある

第6章 羊の王


噂の出所と数は1番多くて二週間ほど

黒い炎やマフィアの先代首領を見かけたという噂は二週間で爆発的に増えていることを白瀬は中也に説明した。

太宰「じゃあ被害が確認できる、一番古い噂はいつ?」

突然話に割って入った太宰と中也の隣で少し俯き乍ら大人しく立っているを白瀬は怪訝な表情で見つめながら"此奴ら、入団希望者か?"と中也に問う。

白瀬の問いに一瞬戸惑う中也ではあったか、すかさず"そんなもんだ"とフォローをいれた。

中也の言葉を半分疑いながらも信じた白瀬は太宰の質問に答えた。


白瀬「具体的な被害がある一番古い噂って云えば、、、たぶん"八年前"」

---大戦の末期、摺鉢街を作った巨大爆発。

"荒覇吐"が実際に出した被害としてはこれ以前にはない。


白瀬の言葉に太宰は"やっぱりね、、、"と納得をする。

そんな太宰に柚杏は中也に本当に新入りかと再び訪ねた。
一方、白瀬は気にせずに話を続けた。

白瀬「そんな事より仲間の奪還計画を立てようぜ。攫われたのは川向こうの工場通りだ」

「ちょっと待て。川向こうに行ったのか?」


白瀬の言葉にに身を乗り出しながら声を荒げた中也に2人は顔色を変えて後退る。


「また酒を盗みに行ったのかよ!あんなポートマフィアの拠点の近くに。抗争の真っ最中だろ!誘拐してくれって云っているモンじゃねぇか!」

柚杏「怒鳴らないでよ!」


柚杏は白瀬の後ろに隠れる。

白瀬「防衛主義の掟は守ってるだろ、それにいい機会じゃねぇか。"羊"は唯一反逆主義、手を出せば百倍返し、だろ?中也がいつも云ってるじゃないか。“他人とは違う手札"を持っている人間は、その責任を果たすべきだって。異能力という手札を持っている責任を果たしてくれ!」


太宰「面白い」

またも口を挟んだのは太宰だった。
笑顔の太宰ではあったが、瞳は笑っていなかった。

太宰「実に面白いよ君達。この中で一番強い力を持つ彼がまるで"狼に睨まれた羊"だ。」

「手前っ、、、」


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