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綺麗な薔薇には棘がある

第10章 六年前の悪夢


俺が奴の居城に着いた時には仲間六人は奴の、、、澁澤の異能力によって、自殺させられていた。

間に合わなかったのだ。

澁澤の言葉が許せなかった。

"退屈な人間は死んでも退屈だ、、、、"

この時俺は、あの日以来封じていた"汚濁"を使ったのだ。



澁澤のみ取り逃したが、それ以外の奴どもは全員死んだ。

この事件がきっかけで俺と太宰は'双黒"と呼ばれるようになった。


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「六年前の龍頭抗争に澁澤を送り込んだのは手前ら役人だろう」

安吾「ッ、、、、」

「お題目はヨコハマ全体を巻き込んだ抗争を止める為だ。だが、奴の頭には秩序維持なんてハナからねぇ、死体の数を増やしただけだ。」

それでも政府が澁澤を守り続けたのは奴が国家規模の異能侵略に対抗しうる貴重な異能力者だから。

だから奴が国外でいくら死体を作ろうと目を瞑るどころか証拠隠滅まで行っていたのだ。

安吾「ッ、、全てはこの国の平和の為、、、、」

「ッ!バァン)言葉に気を付けろよ、教授眼鏡。手前らが奴を寄越さなければ俺の仲間六人は今も生きてたんだ、、」

安吾の言葉に中也は怒りを抑えられず、安吾のシャツの襟を掴み身体を壁へと押し付けた。

安吾「くっ、、、僕を殺しますか?、、、構いません、貴方に依頼すると決めた時点で覚悟はできています。」

中也は彼を床へと放り投げた。

重力を全身に纏う中也、その圧に安吾は圧倒された。

「決まりだな、依頼は受ける。報酬は、、、手前の命だ」

『中也、、、、?』

突然が姿を現した。
きっと心配したのだろう、、、、教授眼鏡を。


「、待ってろって云ったろ?」

『ごめん、、、大きな音がしたから少し心配で。中也、依頼ってなんなの、、、?』

は遠慮がちに中也に訊ねた。
どうやら話を聞かれていたらしい。

「大したことじゃねぇよ、心配すんな。太宰を連れ戻すだけだ」

そう云い乍らの頭を撫でる中也の顔は何かを覚悟した顔だった。

勿論それはも気付いた。


『私も行く』





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