第1章 素直になれなくて(舞&光秀&家康)R18 有
それからまた2週間ほど過ぎて、ようやく光秀が帰って来た。
「お帰りなさい。」
「ただいま。」
そんなやり取りが嬉しすぎて、少し照れくさくてはてへへと笑った。
「変わりないか?」
頭をくしゃくしゃと撫でると
「お館様の所に行ってくる」と足早に去って行った。
何より、最初に顔を見に来てくれたのが分かり、光秀の優しさを噛みしめていた。
(会えない時間は長かったけど、光秀さんの事分かって来た気がする。)
夕餉を終えて光秀の部屋に行くと話があると座らされた。
「、聞け。武器の密輸元は毛利元就だった。南蛮から大量に仕入れて、城下に巻いている。これから大きな戦が始まる」
「…もちろん制圧に光秀さんも行くんですよね」
「そうだ」
「私も一緒に行きたい。傍にいたいです」
「駄目だ。!この時代に残るということは、俺の傍にいられない時間も多いという事を頭にいれておけ。約束出来ないならば、この関係は解消だ。」
「分かりました。」
光秀の厳しい顔が緩み、目を細めて、の手を握った。
「だが、が待っている限り絶対に帰ってくる」
「光秀さんを信じて待ってます」
「あぁ…お前がいた500年後の未来を守るためにも、お館様の天下統一を成し遂げる。」
「私、ここに残って良かったです。後悔はありません!」
の素直な一言が光秀の心を包み込んだ。
「戦には連れていかんが、お前は強い女だ。流石俺が惚れただけの事はあるな」
「んふふっ」思わず笑みがこぼれ出てしまった。
「ところで、今夜は俺の横で可愛く添い寝してくれるんだろ?」
「寝れるのかな…」と本音をぽろっとこぼし褥に入ると、また甘い夜が始まった。
ー完ー