第1章 素直になれなくて(舞&光秀&家康)R18 有
「戦国時代にタイムスリップしてしまった――なんて」
は頭の中で何度も繰り返し、その度に何かの夢であるはずだと自分に言い聞かせようとしていた。
幸いにも500年後に帰れる手段があると、同じ現代人の佐助から聞き、今はなんとか3カ月を生き延びようとそれだけを考えて生きている。
織田信長の命を救ったという事で、どこの馬の骨とも知らない私に、安土城のみんなは良くしてくれている。
そんな中監視の名目で、光秀さんにこの世で生きていくための処世術を学ぶ事になった。
500年後から来た事は、一応、信長様と光秀さんしか知らない。
「この時代ではお前のような者が生き延びることは難しい。少しは学んで自分を守る術を身につけた方がいい」
口調こそ厳しかったが、光秀が心配してくれているのだろうと、嬉しい気持ちの方が大きかった。