第6章 そっち系?
チョロ松くん、大丈夫だったのかなぁ。
学校の外で性別を変える薬を飲んでから、一人で歩いているとーーー
「…トド松くんだ」
私の前方で、寂しそうに歩いている一人の男の子。
いつもはチョロ松くんと一緒だけど、今日はチョロ松くんが倒れちゃったから、一人なのかな…。
涙目になりながらも、トボトボ頑張って歩いているトド松くん。
これには、さすがの私も同情してしまっていた。
トド松くんは春馬のことが嫌いだから、あんまり関わらないようにしてたんだけど、さすがに心配だから話しかけてみよう。
「あの、トド松く…」
「チョロ松兄ちゃん…!?」
「え…」
満面の笑みで振り返ってきたトド松くんの表情が、みるみる暗くなっていく。
ご、ごめんね、チョロ松くんじゃなくて…!!
春馬でごめんね、トド松くん…!!
「ご、ごめんね、トド松くん、あの…」
「………」
「あの〜…」
え、無視…!?
嫌われてるなぁとは思ってたけど、トド松くん、私のこと死ぬほど嫌いなの…!?
だから無視するの…!?
しかも、この状況で歩き始めてるし…!!
背後から私が話しかけているにも関わらず、トド松くんは返事もせずに、スタスタ歩き始めてしまっていた。
ま、まぁ、思い切り拒絶されちゃったけど、トド松くんの涙は引っ込んだみたいだから、別にいっか…。
私も帰ろう…。