第1章 過ち
「…ま、なるようになるだろ。もう暗くなるし、帰ってから考えようぜ」
「「え…」」
十四松くん、意外と楽観的…!!
まぁでも、十四松くんの言う通りか。
もう飲み込んでしまったものは仕方がないから、一旦今日はこの姿のまま過ごしてみよう。
この姿なら、きっと安全だから、私も安心して松野家に泊まれるしね。
「…そうだね、今日はこのまま過ごしてみるよ!カラ松くん、十四松くん、一緒に帰……カラ松くん?」
なんかさっきからやけに静かだなぁとは思ってたけど、カラ松くん…顔赤過ぎない!?
もしかしてウブなの!?
それとも、カラ松くんが例の松野くんなの!?
キスどうしよう…って思ってくれてるのかな。
大丈夫だよ、そんなに心配しなくても、きっと何とかなるよ!!
「…あぁ?カラ松兄さん、なんで照れてんの?」
「き、きっと、他に方法がないか考えてくれてるんだよ!キス以外の方法を…ね!カラ松くん!」
「う、うん…」
「別の方法なんか探さなくても、キスくらいカラ松兄さんがしてやればいいだけの話だろ、ぶちゅーって」
「は、はぁっ!?そんなの、できるわけがなっ…あ、ごめん立花さん、今のは、あの、そういう意味じゃなくて、僕…」
私とのキスが死ぬほど嫌!みたいな反応を示してしまったせいか、カラ松くんは慌てて私に謝罪をしていた。
別にそんな、謝らなくてもいいのに。
好きでもない相手とのキスなんて、嫌に決まってるんだから。
「分かってるよ、カラ松くん…!キスは大丈夫だよ。別にしなくても、きっと何とかなるよ!」
「でも…」
「カラ松兄さんの顔、なんかトマトみたい。人間トマト」
「え…」
「十四松くんは静かにしよっか…」