第2章 R
翔の策略(?)にまんまと嵌められ、昼を数時間過ぎた頃に起きた僕は、翔にされるがままで…
やたらと剃り味の良いシェーバーで髭を剃られ、化粧水やら乳液やらを、顔がビッチャビチャになるくらいに浴びせられた。
あ、人生“初”のパックなんてのもされたっけ…
んでもって、これまたやたらとテカテカしたシャツに、ラメ入りのスーツまで着せられてさ…
翔はさ、「七五三だな」って笑ったけどさ、自分で着せといて酷いよな。
ま、自分でもそう思ったくらいだから、翔が笑うのも無理はないか。
「よし、じゃあ次は…」
「え、まだ何かすんの?」
寝起きからアレコレ弄くり倒されて、流石にもうクタクタなんですけど…
「あのなぁ、いくら最初は裏方でも、それなりの格好はしなきゃなんないの」
「へぇ、そういうもんなの?」
「そういうもんなの」
ふーん、僕には良く分かんないや…
「あ、寮の件なんだけどな」
「うん…」
「いま丁度空きが無くてな…」
「そう…なの?」
ってことは、また公園に逆戻り…ってこと?
「うん。で、悪いんだけど…つか、俺にはけっこう迷惑な話なんだが、お前暫くここに住め」
「へ…?」
確かに、チラッとしか見てないけど、かなりの広さはあるみたいだし、部屋数もありそうだけど…
迷惑って何、迷惑って!