第6章 ティファニー
私はそう答えたのだった。
この頃からだろうか。
ヤマザキは株を勉強して少額からの株式投資を始めたのだ。
まだ、始めたばかりで利益は少額だったが、手ごたえを感じている様子だった。
今では良く分からないがヤマザキは、“吉野家”や“マクドナルド”などの安定した銘柄を買って投資していた。
良く、マクドナルドの株主優待券を持ってきては、学芸大学にあるマックでハンバーガーなどを奢ってくれていたのだ。
ヤマザキの株式投資の友人の東(アズマ)くんとも、私は何度か会ったことがあった。
東くんとはLINEでもやり取りをするほど親しくなっていた。
その東くんはすでに株で100万以上も稼いでいる様だった。
ヤマザキもそれに負けないくらいに勉強していたのだ。
しかし、ヤマザキは株の話しは殆ど私にはこの時にはしてこなかたった。
この日、ランチをしていた時、私は今日の記念にと思い、スマホで彼の写真を撮ったのだ。
その写真は今でもスマホの写真ホルダーに保存してある。
いつ見ても、いい男だと感じてしまうのだ。
ヤマザキは本当に優しい男性だった。
六本木に連れ出してくれたり、スタージュエリーでピアスを買ってくれたり、今度はティファニーでネックレスも買ってくれた。
本当に嬉しかったし、彼には感謝の言葉しかなかった。
夫の誠一に求めても得られなかった物を、ヤマザキは私に与えてくれたのだ。
それは、モノだけだとは思っていない。
気持ちや愛情もヤマザキは与えてくれたのだ。