第6章 ティファニー
私の誕生日プレゼントを銀座で買ってくれると言ってきた。
その言葉が嬉しくないと言ったら嘘になる。
私は即返事を書いた。
「本当に?銀座で誕生日プレゼント買ってくれるの?」
「あぁ、買ってあげるよ…」
「何を買ってくれるの?」
「銀座三越のティファニーに行かないか?」
ティファニーですって?
私はそれを読んで驚いてしまった。
「ティファニーに行ってどうするの?」
「美都の好きなものを買ってあげるよ…」
私は、スタージュエリーの時の事を思い出していた。
あの時も、好きな物を買っていいと言われたのだ。
今回も同じように好きな物を買ってくれると言っている。
嬉しくない訳がなかった。
「じゃ、10日の午前11時に銀座三越のライオン像の前で待ち合わせね…」
「分かったわ…私、嬉しい。ありがとう…」
「僕は美都が喜んでくれたらそれでいいから…」
それを読んで、益々、ヤマザキの事が好きになってゆく自分が分かった。
誠一に求めても得られないものを、ヤマザキは私に与えてくれるのだ。
セックスも確かに与えてくれたが、気持ちが欲しかった。
私を思ってくれるその気持ちが私は欲しかったのだ。
今年の誕生日はとても嬉しいとその時感じていた。