第5章 シュガーヒル
誠一のことを考えながらもヤマザキの身体に心奪われていたのだ。
女の心とは実に摩訶不思議なのだと感じてしまう。
そんな事を思っていて何度かピストンされてからだった。
ヤマザキは我慢しきれなくなった様にこう言ってくる。
「美都、僕は、もう我慢できない…逝くよ…」
私も強かピストンされまくり、花弁は愛液でヌルヌルになっていた。
ヤマザキは私の身体を大きく一突きすると精液を私の身体の中に射精していった。
今回、コンドームをするのを忘れていたとこの時気づいたのだ。
でも、私は子供ができない体質であると薄々気づいていた。
多分、こうしてゴム無しでセックスしても妊娠はしないだろうと思っていた。
ヤマザキが身体を離すと、花弁から大量の精液が流れてくるのを感じた。
それを、ティッシュで拭き取りゴミ箱に捨てた。
「美都、ごめんよ…ゴムもしないでやったりして…」
「大丈夫よ、妊娠はしないと思う…」
それを聞くとヤマザキは安心した様に眠ってしまった。
私もヤマザキを追うように少しだけ眠ったのだ。
目が覚めて時計を見ると夜中の3時だった。
私は、帰らなければと思って、眠っているヤマザキを横目で見ながら洋服を着て身支度をした。
ヤマザキの頬に軽くキスをすると、彼の部屋を出てマンションを後にした。
目黒通りでタクシーを拾い自宅へと戻った。
いつも六本木にいくと、こうしてクラブの帰りにヤマザキのマンションに行きセックスをした。
そして、彼を残していつも私はひとりタクシーを拾い、自宅へと帰って行ったのだ。
自宅に戻ると何事もなかったかのように自分のベッドで眠り、翌日は誠一と珈琲を飲んでいた。
私には、全くと言って良い程、罪悪感や後ろめたさはなかったのだ。
そんな、私を誠一は気にも留めていなかった様に私は感じていた。
私は、毎週末と言って良い程、こうしてヤマザキとクラブ通いをしていた。
シュガーヒルは、私の遅い春を感じさせてくれるクラブだった。