第5章 シュガーヒル
「ふふ、まさか、ここでしようとか言わないわよね?」
私は少し酔っぱらってそう言った。
ヤマザキは苦笑いをしながらこう続ける。
「続きは、僕の家でしようか?」
「ええ、いいわ…」
お互いにそう言うとグラスを飲み干した。
他の客に軽く挨拶をするとクラブを出て表通りでタクシーを拾った。
そのタクシーでヤマザキの住むマンションまで行くのだ。
当時、ヤマザキは学芸大学に住んでいた。
場所は駅から徒歩5~6分のところだった。
タクシーは目黒通りを走ってゆく。
その目黒通りの途中でタクシーを止めた。
目黒通りから目と鼻の先にマンションはあったのだ。
ヤマザキの部屋は15畳程あるワンルームだった。
そこにベッドとパソコン机にテレビが置いてあった。
実に、シンプルな部屋だったのを覚えている。
私たちは玄関に入るとちょっと酔っぱらっていて、笑いながらキスを繰り返した。
「ふふふ、ヒロくん、可愛いわ…」
「僕って可愛いのかい?」
「ええ、可愛いわ…」
私は、何故か笑いが止まらなかった。
笑いながらも私たちはキスをしながらお互いの服を脱がしてゆく。
私は、ヤマザキのパーカーを脱がしていった。