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シュガーヒル

第4章 バレンタイン



「僕が選んで頼んでもいいかな?」
「うん、それで構わないわ…」

そう言うと彼はウェイターを呼びオーダーしていった。

エビチリやカシューナッツ炒め、青椒肉絲、小籠包、フカヒレスープにグオパー(中華おこげ)などを注文してゆく。

私は、ちょっとオーダーした料理の数が多いのではないか。
と、その時感じ食べきれるのだろうかと思っていたのだ。

「美都、飲み物は“紹興酒”でいいかい?」
「ええ、ホットの紹興酒でいいわ…」

そう言うと彼は紹興酒もオーダーしてくれた。
紹興酒は「5年・8年・15年」という種類がある。

飲み比べてみるのも良いが、この時の私は甘めのざらめを入れた紹興酒が飲みたかったのだ。

「ここの店の料理はね、大皿ではなくてちょっと小さめの皿で出てくるから食べやすいんだよ…」

「そうなの?中華って言うと大皿が多いわよね…」
「そうだよね。でも、ここのは小さめで出てくるから沢山頼んでも食べきれるよ…」

この話を聞いて、私は納得したのだった。
そんな、会話をしているうちに紹興酒が運ばれてきた。

お互いグラスを傾けて“チン”と鳴らし、バレンタインディナーに乾杯した。
ホットの紹興酒はちょっと甘くて飲みやすかった。

紹興酒を飲んでいるとオーダーした料理が次々と運ばれてくる。
気が付くとテーブルは料理の皿で埋め尽くされていた。

「さ、食べよう…」
「どれも、美味しそうね…」

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